――ぐ、ぐるじい~~!!!!



なんだかよくわからないけれど
一人でヒートアップするレンに
どんどん強くなっていく、腕の力。



だいたい“仁”ってなんなのよー!!
私は柚月さんとドラえもんに教えて貰っただけなのにぃ~!!






「アイツ以外にありえねぇ…!!
マジでむかつく!!
ぜったいシメる!!
後で絶対、地獄を見せてやる~~~~っ!!
クソ仁~~~~~っ!!!!!!」





真っ赤になって怒り狂うレンに
真っ青になって酸欠状態の私





も、もうだめ!!
ギ、ギブーーーー!!!





ちょっぴりキレイなお花畑がまぶたの裏をチラチラしてきて。



耐え切れなくなってレンの腕をバンバンと叩くと




「あ……」



レンはハッとしたように腕の力をフッと緩める。







「ゲホッ……」






胸の中に思いっきり入ってきた新鮮な空気に驚いて、思わず咳き込むと





「ご、ごめん……」





レンはあの時と同じように
柔らかで
温かい声で
私にゆっくりと謝った。