次の日
わたしは昨日のことを優子に話した。
「婚約ねぇ…」
「お父さんから婚約者がいて当然だって言われたわ。そんなものなのかしら」
「…まぁ、あんたの家のことを考えるとそうなのかもね。デカい財閥の、しかも一人娘でしょ?お父様達からしたらそう思うのが普通なんじゃない?」
「……嫌な理由。まぁこんなことになるのは小さいときから想像してたけど」
"天野財閥"
その家に生まれれば、人生も自然と決まってくる。
それも自分の意思に関係なく
わたしは天野財閥の一人娘として生まれてきた
だから当然と言えば当然なのかもしれない。
わたしに自由なんて言葉は存在しないんだ