いつになったら、この空虚さから解放されるのだろう。

何をしたら、満たされる?



ぐるぐると渦巻く“何か”にのみ込まれるような錯覚に陥りそうになり、私はハッとシーツを掴んだ。

その反動で、音を立てて床に落ちる携帯。

はぁ…と苛立ちの混じった小さな溜め息をこぼしながら、そっと拾い上げる。


デコレーションの施されていないシンプルな携帯には、幾つもの小さな傷がついていた。