「何食べる?」

スズが乗り出してあっちゃんに訊いた。

「あたしパスタがいいな」

「試験がんばったご褒美にケーキも!」


「スズ、ダイエットはどうしたの?」

あっちゃんが耳の痛いことを言った。

「今日はいいの!試験がんばったから!」


頭上で交わされる二人の会話をぼんやりと聞いていたら、あっちゃんが私の髪をそっと撫でた。

「何食べたい?」

「んー…じゃあタラコスパで」


「食欲はあるのね。よしよし」

「失恋してもおなかすくし。そういうのって、何か余計にせつないよねぇ…」


「じゃあ、バイキング行ってヤケ食いに変更する?スズもあたしも全然付き合うけど」

「ありがと。パスタとデザートで十分だよー」