ギュッと、さっきよりも少し強い力で抱きしめると、上からクスッと笑われる。


すると先輩の腕にも力が入り、より強く、抱きしめられた。



…うん。やっぱり恥ずかしい。



赤い顔を見られないように先輩の胸へと顔を埋めると、先輩の顔が近づいてくる気がした。



「…ダメじゃん、雪乃ちゃん。そんな可愛いことしたら」


「……っ!」




耳元で囁くように発せられる言葉。

それは甘い響きを持って、体へ溶け込んでいく。



驚いて顔を上げると、真っ赤になった私を見ながら

夏輝先輩は艶のある笑みを浮かべて。



そして、さらに驚くことを言った。




「そんなことされたら




……キス、したくなる」