そう言ってポケットから ナイフを取り出し、私に近づいてきた…



私は襲いかかる衝撃を
予感し、しゃがみこんだ………







そして

「…危ないッ!!」



その声とともに何かがナイフに刺さる音がした…


「…っっ!」


―ドサッ


私は瞑っていた目を開けた……








すると目の前には…




大好きなお姉ちゃんが
倒れていてその下には


絵の具の赤色より黒っぽい液体が流れていた――




何が起こったのかわからなかった私は無表情でその場にいた…











そこに近所に住むおばちゃんが通りかかり状況を把握したのか叫び…


お姉ちゃんを刺した男は逃げていった…




そして私は意識を失った………―










 ―次、目を覚ますと目が赤くなったお母さんとお父さんがいた…


「「ハルちゃん…」」




それから夏奈姉ちゃんが 亡くなった事を知り脱け殻のように感情をなくし

夏奈姉ちゃんのお葬式でも私だけ泣いていなかった…。




そんな私を親戚達は


―可哀想に…

―死んだことが分からないんだろうな…







―夏奈ちゃんじゃなくてあの子が死ねばよかったのに…


そう言う人が後をたたなかった