私はルイスの目元を触った


「…?」

ルイスは突然の事に顔をしかめた




「ルイス、泣いている
みたいだったから」


「泣いてなんかいないぞ」


「そうね、きっと心が泣いてるの」


「俺は心がない…」


「あるわ…

ルイスには感情があるもの―――」



私はルイスの胸に手を当てた

確かに、心臓が動いている音がしなかった


「ルイスは他の魔族とは 違うわ

でも、ルイスは温かいけど冷たい…

そんな不思議な温度が私には心地いいの

ルイスだけの温度よ」



ルイスの手を取り握りしめた


すると、ルイスも私を受け入れるように握り返してくれた…




「春奈…」


「うん?」


「ありがとう…」







まさかお礼の言葉を言うとは思わなくて驚いたが

恥ずかしそうに視線を反らすルイスが可愛らしく思えてきたのは胸の内にしまうことにした



「どういたしまして」











―バタンッ

「ルイス様!
お仕事が……………」



突然やって来たカイさんは、私達の姿をみて固まってしまった



「っ!?」


自分達の状態に気付き恥ずかしくなってルイスの手を離し、ベッドから立ち上がった




「ごめんなさいカイさん…

ほ、ほらルイス!!
仕事に戻らなきゃ」





今絶対、顔赤いよ…


私は顔を背けながらなるべく大きな声で言った