ルイスの日記を手に取り 読むことにした





そして私はその内容に驚き言葉をなくした








―…ルイスは幼い頃、塔に閉じ込められていた


ルイスの母にあたる王妃が閉じ込めていたようだ





―僕は産まれてきては
いけなかった


―どうして母さまは僕を嫌うのだろう…


―寂しい




―どうして僕には
“心”がないんだろう




痛々しい思いがこの日記に書かれていて所々、涙で滲んでいた…



私は自分の事のように胸が痛んだ





「………ッ!」


私は我慢ができなくなり涙がでてしまっていた…

どうしてルイスの母親は大事な息子を塔になんか閉じ込めたんだろう

何か理由があったのだろうか…


考えれば考える程に涙が流れ落ち、とても苦しかった




そうやって暫く泣いていると






「どうしたんだ…」


「―…!?ルイス!」




「…城を出たのか」


初め無言だったがルイスは私の胸に抱きしめられている日記をみながら言った




「ごめんなさい…」

彼の無表情な顔が途端に怖くなり俯いてしまう


…嫌われたかもしれない





「どうして春奈が泣くんだ」


「わからないっ…」




「ハァ…」


ため息をつきながら私を抱きしめた




「俺の事なんかで泣くな…。

俺は春奈が思っている以上に汚い王なんだ」