「……………」

いい加減苛ついてきていたが自分を抑えこんでいた私にキードは


「失礼ですが…

貴女はエレン姫の生まれ変わりなのでしょう

王は貴女を愛している訳ではなく、神に従って仕方なく婚約されるのですよ。ですから…」


「分からないの?

私は貴方と踊りたくないから言ったの…

貴方にとやかく言われる 筋合いはないわ」


私は必死に冷静を装った …



「―…では1ついい事を教えて差し上げます








魔王様は春奈様に出会う前、本気で愛し合った女性がいたのですよ」


キードは不気味に笑いながら去っていった






…愛し合った女性?







わかっていた…

ルイスは神に従う為に
私を花嫁にした事

私の片想いだという事



けれど、他人に言われると自分で思うよりとても悲しく…

どこかで私はルイスにとって特別なんじゃないかって自惚れていた自分が愚か者で惨めだった



私は泣いてしまいそうに なったが相手に弱みを見せるなと言われたので
必死に耐えた…







――――――――


大分、気分が落ち着いてきていると…

下で誰かが音楽に合わせて踊っている姿があり



よく見てみると―…


「…………えっ…?」



ルイスと、とても綺麗な女性が優雅に踊っていた