二人で喋っていたら後ろからカイさんが慌てた様子でこちらに来てルイスに耳打ちをした…



「あぁ、分かった」


相変わらず無表情で交わした言葉に何があったのか私は予測できない





ルイスはカイさんと共に どこかへ行ってしまった

…話し相手がいなくなってまた、暇になっていると




「春奈様」


私と同じぐらいの歳の
美青年が入れ替わるように話しかけていた



―…魔族って顔が整った人しかいないのかしら



「…………」


ふと疑問に思い返事をしないまま彼の顔をみつめついた




「私はキードと申します」


彼は気にする様子もなく綺麗にお辞儀をした…



「…ご用件は」


先程のルイスが言ったことを思い出し警戒しながら問いかける


“斬り殺される”


「私はただ春奈様と仲良くなりたくて声をかけたのです」


キードは私に笑顔を向けていたがその目は笑っていなかった

その目は何かを企んでいるような気がした



「……そうですか」


「私と踊って頂けませんか?」


「私は王と婚約する者です…

貴方とは踊れません」


早くどこかに行ってくれないかと思うも彼はしつこく…




「少しだけでも宜しいではないですか」


嘘っぽい笑顔を私に向けていた