何も言い返せない。





密着した体から直樹さんの体温が伝わってくるみたい。




体が熱くなってドキドキして…。



離れた直樹さんの顔から目が離せなくなってた。







反対の手で1のボタンを押した直樹さんは、そのまま私の腰に回す。




向かい合わせに密着した私は思わず顔を伏せちゃった。






完全にホールド状態でどうしていいかわかんないよ…!





おでこに息がかかってるし!






そのぐらい近くにいるんだなんて思ったら余計ドキドキしてきた!








「千佳。こっち向いて?」



「…やだ。」





「キスやだった?」




顔を横に振る。




それが今の私にできる精一杯の返事。