降りる人はなく、乗るのも私達だけ。






空のエレベーターに乗ろうとした時、直樹さんがまた私の手をつないで強引に中へと引っ張って閉めるボタンを押した。




「えっ!ちょっ…!」




「冗談なんかじゃないよ。」




そう言って扉が閉まった瞬間、私の唇に柔らかい感触が触れた。





私の目の前には直樹さんのアップ。







……キス…?








私直樹さんとキスしてる…?






「俺、千佳が好き。」





唇を離してそう言うと、つないでいた手を私の腰に手を回した。




「お前かわいすぎんだもん。」





だめだ。





完全に思考回路がストップしちゃった。




何も言い返せない。