私が見つけたのは陽菜じゃなくて………





直樹さん!!





ダウンジャケットに黒のパンツ、髪はワックスで後ろに流していて、なんかホストみたい。




でもやっぱかっこいいな〜!




直樹さんは携帯片手に一人でたたずんでる。




待ち合わせ?




でも彼女いないって陽菜言ってよな…。






そうだ。



陽菜見なかったか聞いてみよう!





「直樹さん!」





私は駆け寄りながら手を振った。



私に気付いた直樹さんは少し笑顔でこっちに向かって来て言った。



「おぅ!時間通りだな!」




……時間通り?



私陽菜に呼び出されてここに来たのに…。



なんで直樹さんがそんなこと言うの?



「私陽菜から電話で呼び出されて来たんだけど…?」



「悪りぃ。呼び出したの実は俺!

千佳は今から俺とデートだから!」



「デート!?」



もしかして直樹さん私とデートするためにおしゃれして待ってたの!?




「じゃあ行くか!」




不意に手を握った直樹さんは私を引っ張って歩き出した。