「あの雲が綿菓子みたいでうまそうだな〜…。」




私の頭の中を見透かしたような声が頭上から聞こえてきた。





「あっ、川嶋せんせー!」




陽菜が目をキラキラさせながら声の主の方へ振り向く。




寝転んだまま上を向くと逆さまな直樹さんの姿が見えた。



「ここ懐かしいなー。俺いつもここで飯食ってたんだよね〜。」



「え〜!川嶋先生ここの卒業生なの!?」



陽菜…目の輝きがさらに増してるし!



「まぁね!」



そういいながら私の隣に座った。



そんなの初耳だよ!




なんか直樹さんって謎だらけだな。




「今ね、陽菜に今までの事をいろいろ話してたんだ。直樹さんとのこともね!」



「おぉ!俺達の感動的なあの出会いな!」



「あはは!なんか大袈裟!」





直樹さんはいつもそう。



落ち込んでいる時に駆け付けて私を励ましてくれるんだ。




私を笑顔にしてくれる。



昨日だって今だってそう…。



バーに行った時もそうだったな。



きっと根っからのお兄ちゃん体質なんだろう。