確かパスタとウーロン茶を注文したんだっけ。



薄暗い店内の間接照明がパスタの湯気を映し出す。




「さっきの電話は何かの間違いだ。」


カウンターに座った私はウーロン茶を一口飲んで呟いた。





優介と友達になったのは高校2年生の時。


クラス替えで同じクラスになった。


それからずっと友達だった私は、優介の事が好きだった。



目にかかる少し長めの前髪も、耳にぶら下がるごついピアスも、着崩した制服も、うっすら匂う香水の香りも、全部優介のセンスの良さを感じさせた。



甘い香りを漂わせながら笑う顔に釘付けになった私は、自分の気持ちに気付くのにそう時間が掛からなかった。





でもずっと『好き』って言えなかった。



特定の彼女を作らない事も、マメじゃないO型の性格も全部わかってたから。



それならずっと友達のままでよかった。



遊びの女の子達と一緒は嫌。



たった一人の彼女になりたかったんだ。