｢はぁ〜…。今日はちょっと寒いなぁ〜。｣



どんより厚い雲が空を覆っているその下で、私は優介を待っていた。





足早に教室に向かう人の流れの中にたたずんでる私は、なんだか浮いてる気がしてならない。



でも、昨日の夜優介と向き合う覚悟を決めた私に迷いはなかった。







｢千佳〜！大変だよ！｣



陽菜は『おはよう』も言わずに慌てて駆け寄ってくる。



｢陽菜！おはよー。一体どうしたの？｣



｢優介が女の子と一緒に登校してるよ！｣



えっ…。



まさか。



｢その女の子ってもしかして肩までのストレートの子？｣


｢なんで知ってるの！？｣



やっぱり…。



昨日優介を連れ去った子だ！




｢あんた達どうなってるのよ！あの子昔優介が遊んでた子でしょ？｣



やっぱそうなんだ。




直樹さんが言ってた事、当たってたな。





なんで当たってほしくない憶測ばかり本当の事になっていっちゃうんだろう…。




｢私今から優介と話し合うつもりなんだ。また詳しいことは後で話すよ。｣



｢わかった。がんばってね！｣



｢ありがと。｣