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どのくらい時間が経ったのかわからない。


私はベッドの上で放心状態だった。


部屋の静寂がやけに耳につく。





夕飯の後片付けをしていたお母さんはいつの間にか寝たみたいだ。


下の階は物音がしない。





部屋は明るいのに私の頭の中は真っ暗だった。


まるで世界中の人に置いてきぼりにされたような…。



静寂が寂しさを余計に際立たせる。



優介の声が聞きたい。



さっきのことを本人から聞きたい。


…でも……



まだあの女と一緒かもしれないと思うと、どうしても電話をかけられない。



どうしたらいいんだろう…。



これ以上静寂に包まれると泣きそうだ…。


会えるかどうかわからない、でもあそこなら…。



前に優介が連れてってくれたバー。


会えなくたっていい。


こんな静かな所にはいたくない。





気がついた時には無意識にお店のドアを開けていた。