黒くて大きな車…っと。




…あった!



ほんとに大きいなぁ。



駐車場の隅に4WDの車があった。


黒なんだけど夕焼けで少し赤く照らされたその車まで行くと、運転席に直樹さんが乗っていた。




「うし!じゃあ行くぞ!」



エンジンがかかり車がゆっくり動く。



「そうだ!なんで直樹さんバーで働いてるの?
本職はパソコンの会社なんでしょ!?」



ずっと疑問だったことを聞いてみた。



「バーはアルバイトみたいたなもんだよ。

この前話した柴崎さんているだろ?その人俺の先輩なんだ。
週に2、3回店手伝わされてんの。」



ふーん、そうだったんだ。




「じゃあ次の質問。
この前、なんで嘘ついたの?」



少し睨みながら聞いてみた。




「ごめんな。彼氏の名前聞いたらびっくりしちゃって。
まさかあんなに早くバレるなんてなぁ!」



そう言って笑った。



「もー!笑って返されたら怒れないじゃん!」



「ごめんごめん!」



ハンドルを握っていた手を私の頭にポンポンって乗せて、またハンドルに戻した。



完璧に子供扱いされてる!




でも悪くないかも…。





お父さんがいたらきっとこんな感じなんだろうな。