「じゃあたまには中庭で食べる?」



陽菜の提案で場所を変えることになった。







今日はほんと天気がいい。



中庭のベンチに座った私達はさっき買ったパンを頬張る。



「ここあったかくていいねぇ。
明日優介も連れて来ようね!」


「うん!」




陽菜はいつも私の事を気遣ってくれる。



今も、優介がいなくて寂しい私の気持ちを見透かしたような会話だった。





「それにしても川嶋先生かっこよかったなぁ〜!」



空を見上げながら幸せそうな顔をして陽菜が言った。


「彼女いないんだって!あんなにかっこいいのに!
もしかしてチャンス!?」



彼女いないんだ…。


彼女いたらきっと同棲しちゃってるよね。


あんなきれいな部屋に一人暮らしなんだもん!




「でも先生だよ?」



「関係ないよ!
先生って言っても臨時講師だし!

先生ってホームページの制作会社の人なんだって。」



「陽菜詳しいねぇ。」



「さっき授業始まる前に聞いたの!
んでね、そこの会社の偉い人と校長が知り合いで、それがきっかけで演習の授業ができたんだって!」



「へぇ〜。」





直樹さんそんな仕事してるんだ。



じゃあなんでバーで働いてたんだろう…。