「そうだぞ!俺がいるんだから他の男なんて見なくていい!」


うわっ!優介いつの間にいたの!?



私の後ろで仁王立ちしてるし…。




「陽菜ってあーゆーのが好きなの?」


「何?優介もう川嶋先生見たの?」


陽菜がびっくりしながら聞いた。



「うん。見たってゆーか知ってるってゆーか…。」


「そうなんだぁ!」


陽菜の目がまた輝いてる。



「ってゆーかなんか気づかない?」


ため息をつきながら優介は続ける。


「俺も川嶋、先生の名前も川嶋。」


「あっ!もしかして優介と先生って親戚?」


「……いやそんな遠くない。」


「じゃあいとことか?」


顔を横に振る。


「近づいたけどまだ違う…。

俺の兄貴だよ。」



「うそー!!」



私と陽菜の声がハモった。


知らなかった…。優介にお兄さんがいたなんて。



「ちょっとなんで今まで黙ってたの!お兄さんいたなんて私全然知らなかったよ!」



彼女なのに…。


なんかショック…。


「悪い悪い。別に隠すつもりもなかったんだけど得に言う機会もなかったしさ。

それに俺らあんま仲良くないしね。


陽菜、残念だったな!


俺なんも協力できねーよ?」


優介はニカッて笑って言った。



お兄さんと仲悪いなんて普段の優介からは想像つかない。