「おい!そこ邪魔!イチャつくのは休み時間にしろよ〜。」


担任が私達に声をかけた。


「今俺達は愛の確認中なの!休み時間まで待てない〜!」


私を抱きしめる力が更に強くなる。


「早く教室入んないと遅刻にすんぞ。」



「はぁ〜い。」




解放された私の体はふっと軽くなった。



抱きしめられた時は複雑だなんて思ったけど、いざ離されると今度は寂しいと思っちゃう…。


なんか私って自分勝手だなぁ。





「千佳おはよ!今日も朝から旦那とラブラブだねぇ〜。」


私は後ろの席を振り返る。

「陽菜おはよ。私たちまだ新婚なもので。」



私と優介の仲はすっかりクラス公認になっていた。


親友の陽菜はもちろん、他の人も多少のイチャつきでは動じない。



優介とは友達期間5ヶ月、付き合って3ヶ月で合計8ヶ月しか経ってない。


なのに周りからはすっかり夫婦の様に扱われていた。

そのくらい私達は最初から気が合っていたんだろう。



もっと早く出会っていたらどうだったんだろう…。




優介は私と付き合う前まで特定の彼女はいなくて、いろんな女の子と広く浅く付き合ってたらしい…。


1年の時はお互い別の校舎だったから優介に関する噂なんて何も知らなかった。


まぁかっこいい人がいる程度の話はあったけどね。



2年で同じクラスになって…


近づけば近づくほどいろんな話が耳に入るようになっていったけどそんなことで気持ちが変わることはなかった。




優介ともっと早く出会えたらよかったな…


今更、前の女の子達に嫉妬してる自分がいる。


昨日の電話の女の子もその一人かな…?


なんだかへこむ。