「やってくれたな〜!千佳!」



「へっ?」




振り返ると隣に座る直樹さんの姿がなくて、その代わりに体が浮いた感覚がした。




「きゃっ!!」





直樹さんが見えなかったのは、近すぎたからだったと気付いた時にはもう遅くて、お姫様抱っこされた私はベッドの上に静かに落とされた。




「千佳ぁ。

かわいいことしてくれんじゃん!」



「いや…、私そんなつもりじゃ…。」



「そんなことないでしょ。

伝わってきたよ?
好きって…。」




直樹さんの顔がゆっくり近づいてきて……




やさしく唇が重なった。




触れるだけのやさしいキス。





唇が離れて目を開けると、さっきとは違う虚ろな表情の直樹さんがいた。





「ごめん。
もう我慢できない。

今すぐ千佳を俺のもんにしたい。」



そんな顔で言わないで…。


いやって言えないよ…。




「直樹さん…。

私、直樹さんのこと…好きだよ!」




直樹さんは返事の代わりにまたキスを落とした。




今度のキスは荒々しくて、まるで今までの気持ちをぶつけるような激しいキスだった。