今日も
健はお気に入りにしている
屋上へと足を運び
空を眺めていた
空を眺めるのは
好きだった
眩しい程の青と
太陽の輝きを反射させる目映い白い雲
ゆっくりと青を流れていく雲の動きは
目を眩ませ
酔いそうな感覚になる
目眩がするほど
目映いそれを
嫌いにはなれなかった
目を反らせずには
いられなくて
いつまでも
追いかけている
ふと
頭上に人の気配を感じて
健は上を見上げた
給水塔のある
梯子上のその場所
見上げた視界を覆う
黒
「…。」
健の視線の先
すらっと伸びた脚線美の
その向こう側
男子の憧れである
絶対領域
スカートの中味が丸見えな女子生徒は
さらさらの黒髪を風に靡かせて
健と同じように
真っ青な空を仰ぎ
それの目映さに
長い睫毛を伏せがちにして眺めていた