「杏莉の様子はどんな感じだった?」


「寂しそうでしたね」


俺は正直に答えた


「そう…」


「さっき言っていた話って何っすか?」


俺の代わりに優雅が聞く。


「優斗、今から言うことしっかり聞いててね。今日、お客さんが来たって言ったわよね?」


「はい、言いました。」


瑠夏さんは間をおいて話し出した


「杏莉の父親だって名乗る人がやって来てね」


……杏莉の父親?


「来て早々、杏莉に会わせて欲しいって…」


話ってこのことだったんだな。


「その人、本当に杏莉の父親なの?」


愛花も“信じられない”という表情だ


「えぇ、離婚して母親に引き取られたそうなの」


瑠夏さんは今日あった出来事を話してくれた


その人は必死になって杏莉のことを探し回っていたらしい