「他に言う事?」


「だぁかぁら!俺がやったのかって、お前は疑わないのかよっ!」


苛々と俺は周を睨みあげた。


「お前が?いや、それだけはないだろう」周は形の良い顎に手を掛けると、さらりと言ってのけた。


「何でそう言いきれるんだよ。俺のこと……信じてるから…?」探るように目を上げると、


「それは大前提だが、お前にあんな犯罪が犯せるわけがない。お前が出来るワルいことって言ったらせいぜい……」


言いかけて周は頭を捻った。


「うーん…思いつかん」


相変わらずだな…


「お前は“くそ”が着くほど真面目だからな。まぁそこが好きなんだが…。


それ以前に!お前には誰かを襲う程の性欲がない!」


ビシッと指を指されて、


「人を不能みたいな言い方すんじゃねぇ!」俺は思わず喚いた。


「ヒロは不能じゃないぞ。ちゃんと反応…」


「わ゛ーーー!!こんなところで言うな!!」


もうやだ……俺、結婚する相手間違えたんじゃないか…?


「せっかく感動の再会シーンだってのに…」がくりと肩を項垂れて俺は思わず呟いた。


「俺だって感動しすぎて、今すぐお前に突っ込みたい衝動を堪えている」


しれっと言う周に、


「死ね」


俺は冷たく言ってやった。


周はやっぱり変で―――だけど普段通りの変態周で……


次会ったらどんな顔すればいいんだろう…とちょっと考えていた俺は、正直拍子抜けした。


でも―――



こんな変態で意味不明野郎を好きになったのは俺で、


相変わらずの変態っぷりに、俺は思わず笑ってしまった。