それは銀子と同じ職場の後輩、高科真治(たかしな・しんじ、25才)でした。




「やっぱり月森さんだ、噂は本当だったのか」




そう言って真治は志郎をジロリと見ました。




人気者のイケメン店長の志郎目当てで、銀子が藍星に通っていると勘違いしているのです。




「アホ真面目で会社の後はほとんど家に直行な月森さんが、よく藍星に通ってるって聞いて来てみれば」




私服姿で銀子の横に居る勝平の事は眼中にないようです。




「月森さんが酔っ払うと色っぽくなるからって……、月森さんをどうするつもりだっ。
 月森さんはなぁ、見た目より年食ってんだぞ」




真治は言葉の選び方に難がありました。