銀子と拓郎が楽しげに会話しているのを、志郎が気付きました。




この前は少しビクついていた拓郎ですが、覚悟を決めた今日は堂々としています。




酔って色っぽくなっちゃった銀子に、頬を染めた拓郎が親密な雰囲気を醸し出しています。




“勝平のアホがボヤボヤしている間に、拓郎が確実に銀子さんとの距離を縮めている……”




思う所は色々ありますが、あの勝平が初めて本気で人を好きになったのです。




勝平とは長い付き合いだし、志郎なりに大事に思っている後輩だし、つい贔屓したくなります。




“勝平に電話しようか”と悩んだ時でした。




志郎の携帯に着信がありました。