「あ、先輩~、俺の奢りで銀子さんに一杯♪」




栄治は格好つけながら志郎に言います。




そしてカウンターに肘をついてグイッと銀子に近づくと
「勝平との出会いは、いつ? どこで? あいつとの馴れ初め聞かせてよ~、ねっ」
と急に馴れ馴れしくしてきます。




「? 馴れ初め?」




銀子はどう答えたらいいのか戸惑ってソワソワしてしまいました。




だって“馴れ初め”だなんて、まるで勝平と銀子が付き合っているみたいです。




銀子が困っている間にも栄治はジリジリ近づいてきます。




“ええっ近くないっ!?”銀子がそう思った時
「こら栄治、うちのお客さんに迷惑かけるな、出入り禁止にするぞ」
と志郎が助け舟を出してくれました。