・・・・・・・・・と、気を張ってみたものの。
「・・・・・さ、さっさと帰ろ。」
一人になった途端に、恐怖と不安が押し寄せてきた。
無理無理無理!!!
は、早く帰ろう!
鞄を胸に抱えて、若干本気で駆け出した。
やばい、動機が激しくなってきた!
こ、怖いよ~!
と、ガツッと音がして、私の体が大きく傾く。
「・・・・わっ・・・・」
あ、やば・・・・っ!
鞄持ってて手が出せない!
スローで地面が近づいてくる。
が、顔面から・・・!!
意を決して、強く目を瞑り唇を噛み締める。
固いコンクリートにスタイリッシュこんにちわ☆をする衝撃を待っていると
「っ!?」
急に体が後ろから引っ張られ、何かに柔らかく包まれた。
「・・・・っぶない、ですよ・・・!」
え
え
な、何、誰?
後ろから、切羽詰まった声が聞こえ、少し荒い息が耳にかかる。
そして体がぐるんと回され、目の前には
「っ大丈夫ですか!?お怪我は・・・・どこか、痛いところはありますか!?」
夢にまで出てきそうな程の、凄い美人なお兄さん
って!え、と、すっごい綺麗な人・・・!!
思わず見とれてしまった。