母親は、母さんはもう居ない。
心の何処かで、その現実を認めたくなかった。
認めたら、それこそ俺が生きているのを許されない気がしたから。
でも、この女は
俺に生きていて欲しいと、必要だと言った。
それが例え俺を引き留める嘘だったとしても
母親以外で初めて、俺を必要としてくれたその言葉に
まるで心が満たされるようだった。
凄く、凄く嬉しい
「・・・・・・ありがとう・・・・・・・・・・・・」
心からの感謝が無意識に出てしまったくらいには。
「・・・・・・・・・・ありがとう・・・・・・・・!」
涙が止めどなく溢れ出すくらいには。
俺を救ってくれた、大切な人。