―――――遡ること三年前・・・・・


とある少年は、とある病院の屋上で風を受けながら、ただ虚空を見つめていた。


「・・・・・・・・死のうかな。」


最近、ただそればかりが頭を埋める。


―――――母さんが、死んだ。


それは紛れもなく俺のせいで。


俺なんかの命で償えるわけはない。
馬鹿げてるって分かってるんだ。


でも、じゃあ、


自分の掌を見つめて

爪が食い込むまで強く握りしめる。


「・・・・・・この行き場のない気持ちは、どうしたら良いんだよ・・・!」


黒い感情が渦巻いて、今にも気が狂いそうだった。


俺が死ぬことは、母への償いでも何でもなく

ただ、罪悪感からの逃避なだけ。


俺がしたことは、そんなエゴで済まして良いものじゃない。




―――――だけど、体は正直で


一歩、また一歩と古びた柵へ近付く。