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「お疲れさまです、凱那さん。今日もまた言葉で表せられないくらいに美しくて、輝いていらっしゃいますね。」
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せ、先手を取られた・・・!!!
今、私の目の前にはにこにこと笑みを絶やさない希彩。
今日も迎えに来てくれたのだ。
希彩が車から降りてきて、私の前に立たったと思えば早速先手をとられる。
だけど諦めるな、私!
今日はいつもの私じゃないんだから。
「・・・・・き、希彩もいつも格好良いじゃん。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
「え?」
希彩はポカンと馬鹿みたいに口を開けたまま私を凝視する。
「・・・・・・・・・凱那さん。」
「な、何よ。」
瞬きもせず茫然としたように、希彩は言葉を発した。
自分でも柄にもないと思ったので、何を言われるのかと若干身構える。
すると希彩は
「・・・・・・・・・いいい今すぐ病院へ行きましょう!」
「な・・・・はあ!?」
いきなりグイッと腕を掴まれ、引っ張られる。
「違うから!ってか離して!」
「ああ僕が昨日凱那さんの体操服を拝借したのがいけなかったのでしょうか。あ、でもちゃんと今朝にはお返ししましたよね?それなら何故・・・・。」
「夜に、体操服がないと思ったら・・・・・って何してんのよおおおおぉぉ!!!!!?」
強引に私を車に詰め込み、希彩はそのまま発車しようとしたので
「違う!違うから!different!」
慌てて弁解をする。私の必死の訴えを希彩が無視できる訳もなく
「・・・・・いいいきなり、ど、どうしたんですか。凱那さん。」
不安を全面に押し出した眼差しで振り向かれた。
「な、何か悩んでらっしゃることがあるんですか?」
「何もない!た、ただ・・・。」
「・・・・・ただ?」