授業も終わり、私と緋美は適当に話ながら歩いていた。

まあ話題はほとんど緋美の彼氏のことだけど。


「凱那は彼氏、つくらないの?も~そろそろ3年になるじゃん。」


お。ここで私に話を振りますか。

・・・・・彼氏か~。



「・・・・・今は良いや。友達第一だし。」


「それって谷沢も?あいつ絶対凱那のこと好きだって。」


「あはは、ないない。」


私なんか好きになってどうすんの。


・・・・・って、ストーカーの方にも言ってやりたいです。


私なんか好きになってどうすんの!?


私が一人で頭を抱えていると、緋美が立ち止まった。
緋美と私の家は、この道を境に正反対。


緋美は私の肩を掴んで


「じゃ、私帰るけど、絶対!早く!明るい道を通って!帰るのよ?気を付けてね、凱那!」


いたたたた

いたいっす、姐さん。

強く揺さぶられて、子供に言い聞かせるように言われた。


「大丈夫だって。ありがとう緋美。」


それに軽く笑って返して、心配そうに見てくる緋美に手を振った。



「じゃーね~!」