ようやく落ち着いたらしい希彩は、若干不満そうな顔でバックミラー越しに私を見つめていた。
と言うか、何故不満な顔なんだ。
「やっぱり切るときは鉈か日本刀でしょうか・・・。ああでも鎌を持つ凱那さんも素敵ですよね。」
「・・・・・やっぱり電車で帰るから下ろして。」
「ええぇ!?だだ、駄目ですよぉ!」
・・・・・・・・・もうやだ・・・・・。
希彩の車に、私一人で乗るのは初めてで結構緊張してたのに・・・・・
「・・・・・・あ。」
そう言えば、希彩の眼鏡持ったままだった。
手の中の青い眼鏡を見つめる。
「希彩~。」
「はい?」
「ん。」
信号が赤になった時を見計らって隣の希彩の肩を叩く。