「・・・・凱那さんはいつも凛々しく素敵ですが・・・・今日はまた一段と輝いておられました。」


「な゛によ・・・いつからいたの゛・・・。」

最悪・・・・・鼻声になってるし・・・・・



「ずっと、最初から貴女だけを見ていました。」


そう言って、希彩の細くて長い指が私の目元に優しく触れる。


「・・・・赤く、なっちゃってます。凱那さんの白くて玉のような肌が・・・。」


また心臓が大きく跳ねた。
咄嗟にその手を払い除ける。


「さ、触らな゛いで!それに゛、私、何度もあんたを探したけど、い゛、い゛なかったじゃない!」


「・・・・・・・・・・僕を、探してくれてたんですか?」


希彩が大きく目を見開き、私を凝視した。


そして



「・・・・・・すみません、凱那さん。」



クイッと体が一瞬傾いたかと思うと


「・・・・・へ、?」


鼻をくすぐる爽やかなレモンの香り。

一回り大きな何かに、体全体がすっぽり覆われてしまっている。

視界の端に、金の混じった淡い茶髪が見えた。



「・・・・・・・え、ぇ、・・・?」


「凱那さん・・・・」


「っ!?」


耳元で囁かれる、少し高めの柔らかい声・・・・・・



・・・・・・・ええええ!!!!???


ようやく状況を理解した私は、心臓が慌ただしく早鐘を打ち始め、首から上に熱が集まっていくように感じる。



まま、ま、まさか・・・・!!!!!?


言葉を出そうとしても、脳の処理が追い付かずただ口を開閉させるだけ。


頑張って絞り出した言葉は


「・・・・ぇ・・・・え、き、希彩・・・・・・?」


「はい。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・デスヨネー。