「・・・・・剣道、やってたんだ?」


『あ・・・・は、はい。あの、小学校の時から、一応・・・・。』


「・・・・・・・ね、希彩にさ、よく似た血縁者っていない?弟とか。」


『―――・・・・!』


その瞬間、僅かに希彩が息を呑む声が聞こえた。


「・・・・希彩?」

何か聞いちゃいけないことだったのかな。


『・・・・あ・・・・お、弟が、一人・・・・います。』

だけど希彩は答えてくれた。歯切れが悪いように感じたけど。


「?そうなんだ。幾つ離れてるの?」


『三つです。・・・・・凱那さんと同じ年ですよ。』

そこで、いつの間にか私の脳内にはさっきのそっくりさんが浮かんできていた。
まさか・・・・・・ね。



「その子もさ・・・一緒に剣道やってた、とか・・・・ある?」



『・・・・・・・・・・・・・恐らく、ですが今も続けていると思います。僕がやめた後に防具一式を譲ったので、それから始めたようですよ。』


―――――・・・・・・・。


偶然、だよね・・・・・?


剣道をやってて、私と同い年だからって、それだけで判断するのは早すぎる。


「そ、か。あと、何質問したっけ?」


『あ、え、?・・・はい、えっと、ぼ、僕の職業・・・です。』


話を変えるのが不自然すぎたかな。

でも希彩はあえて何も言わず、話を合わせてくれた。

確か前に自営業・・・って言ってたけど・・・・


『ぼ、僕はび、病院をやってます。』









・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「節子、それ自営業ちゃう――――――!!!!!!!!!!」


『せ、せせ節子?』