通話ボタンを押して、耳に当てる。



『――――あの・・・・希彩です。』



わ・・・・・・・!!!
き、希彩との初電話!?


ドキドキしながら耳に流れ込んでくる声を聞いた。


『・・・・・え、えっと・・・・あの、凱那さん・・・・?』


ちょっと高くて澄んでる声・・・・。
中々聞いてる分には心地良いかも。


『も、もしもし?もしもし凱那さん?』


「――――・・・・っあ、ごめん。うん、私。凱那。」


『よ、良かった・・・!電波が通じてないのかと思って・・・・!』


「・・・・・・希彩の声、結構好きかも。」

この、優しそうな声が。
そう言うと


『ぅぇ、えぇ!?と、とき、凱那さん・・・いいいいきなり何を・・・・!?』


急に、希彩の声が裏返る。
電話の向こうで、わたわたと困っている希彩が浮かんだ。


「うん、その声好きだわ。で、何?電話なんかしてきて。」


『うぅ・・・・え、えっとですね、先程頂いたメールのお返事を・・・』


「メールで返したら良いじゃん。」


『うっ・・・・そそ、そうなんですけど、あの、あんなにたくさん質問があったので、それなら電話の方が・・・・・・早いかな、と・・・・。』

「ふーん。うん、じゃ、質問に答えて。」


『は、はい!えっと、僕は12月3日の射手座でA型です。身長・・・・・大体180くらいでしょうか?部活は、中学で空手、高校でバスケをしていました。えっと、習い事・・・?は、水泳と剣道をしていたことがありますが、高校に入る前に止めました。』


「お~。」


『え?えっ?』


思わず感嘆の声が漏れた。希彩って結構体育会系だったんだ。

空手とか凄いな。強いのか。


「・・・・・そう言えば」