――――次の日、部活が終わり緋美と合流した私は、緋美を呼び止めた。
「どした?帰らないの?」
「緋美・・・・・あの、実はさ。・・・・・・・今日から彼氏が迎えに来るし、一緒に帰れない、かも・・・・・」
「えっ!?彼氏って、あの年上の!?何々今から!?」
驚いた表情で、半ば興奮したように緋美は周りを見回す。
「ちょ、声が大きい!」
「うっそー、彼氏さん超優しいじゃん!ね、ね、ちょっと紹介してよ!」
「し、紹介?」
次は私が目を見開いて固まった。
紹介・・・・って・・・。
だけど緋美はお構いなしで盛り上がり、「何処?何処?」とはしゃいでいる。
と、私達の目の前に一台のシルバーっぽい車が止まった。
それに見覚えのある私は、ハッと体を強張らせる。
ま、さ、か・・・・!!!
バタン、と扉が開き、中から出てきたのは
「!凱那さん!!」
やっぱり希彩でした――――!
「え、うそ!すっごいイケメンじゃん!!凱那!何でこんなかっこいい彼氏って言ってくんなかったの!」
「あ、と、凱那さん、えっと・・・・?」
二人して私を見ないで。
隣で緋美は凄く騒いでるし、希彩はそのテンションに押されながら、私に助けを求めるように視線を投げる。
「・・・・私の親友。緋美。」
「はじめまして!竹芝緋美です。」
「あ、貴女が緋美さんですか。はじめまして、蓼科 希彩と申します。先日から凱那さんとお付き合いさせて頂いています。」