「――――あ~!悔しいな~!」



面を外し、汗を拭いながら島部先輩を見た。

結果は、島部先輩に面と抜き胴の二本を取られて負けた。


「お前、籠手狙ってんのバレバレ。何であの時胴にしなかったんだよ。」


島部先輩も汗を拭いながら、私に手招きする。
隣に行くと、島部先輩は立て掛けた竹刀を持ち、私にももう一本を渡した。

アドバイスをくれるのだろう。


そう悟った私は島部先輩と向かい合わせに立ち、竹刀を構えた。


「良いか?相手がこう打ってきたら、普通は払うか後ろに下がるもんだと思うだろ?でもそうすると・・・・・」




――――――・・・・・・



「ありがとうございました―。」


「お~、じゃーな。」



島部先輩に頭を下げて、帰路につく。

携帯を取りだし、電源を入れた瞬間―――――



~♪~♪


~~♪~♪


~♪~♪


「え、えっ?」


手の中の携帯が立て続けに震え始めた。