「アイツには両親が居ないんだ…。」




その言葉でチカの胸に強い衝撃が走る。




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ケン自身、物心ついてからばぁちゃんに聞かされた話…。




ケンには生まれた時から父親が居なかった。



居なかったというよりも母親とその元彼の間にできた子供がケン…。



父親の顔なんて見たコトもないし、見たいとも思わない。



母親の顔だって、もぅ憶えてはいない。



思い出なんて何1つない。



そんなものは要らない。




だから、幼い頃の記憶は全て消し去った。





ただ、1日だけを除いては…。