「おいくらですか?」


『いぇ…。お代は結構です…。』


「いぇ…。ちゃんとお支払いします…。」


『ホントに大丈夫です…。それが、この美容室の創設者が願っていたコトなんです…。』



母親は柔らかい表情でチカを見つめ直した。




「その方は素晴らしい心の持ち主なんですね…。」


『えぇ…。透き通る様にキレイな心を持った温かい人です…。』



チカは優しい笑みを零す…。




「本当にありがとうございました…。」




チカは2人を見送る為、エントランスへと向かう。