ガチャ…。




メイク個室の扉が開く…。



個室から出てきた彼女の姿を見た母親は驚きを隠せなかった。



大きく残っていたアザは消え、失いかけていた笑顔を取り戻した彼女の表情…。




「お母さん…。キレイかな?」



彼女は少し照れ臭そうに微笑んだ。




「レナ…。すごくキレイよ…。」



母親の声は震え、久々に聞いた彼女の声と取り戻した笑顔を前に涙を零した。



『その笑顔…。お母さんのトコへ行って良く見せてあげて…。』



チカが言うと彼女は母親の元へと駆け寄る。



「お母さん…。もぅ死にたいなんて言わない…。笑顔で生きるって決めたから…。」



2人は笑顔で涙を零し、強く抱き締め合った。