「俺が何だって?」



シザーの手入れを終えたマサキが休憩室へと入って来た。



「なっ…、なんでもないです!お客様の話をしてたんです!」



焦って返したミリの声が裏返る。



『そっ…、そぅです!マサキさんの最後のお客様…。カッコ良かったなぁ〜って!』



チカも必死に話を合わせる。



「ホントか〜?」


『「ホントですよ〜!」』



2人の声が被(かぶ)る。



「ならいいけど…。」



ミリとチカはホッと肩を撫で下ろした。



「でも、おかしいよな〜。」



そぅ言いながら、マサキはロッカーで何かを探している。



『なっ…、なにがですか?』



2人の肩は再びピクッと上がった。



「いや…。俺の最後のお客様は“女性”だったからさ!」



あえて意地悪い言い方をするマサキ…。




やっちゃった…。



どうしよう…。