ケンが瞼を震わせながら、ゆっくりと目を開く。




『ケン…。ケン…。ケン…。』


「チ…。カ…？これは…。夢…？」



ケンが苦しそうに言った途切れ途切れの言葉…。



その口は片側しか動いておらず、声は聞き取りにくい程に弱々しかった。




『夢じゃないよ…。』



そぅ言ったチカも夢ではないかと思うくらいの出来事に驚きと安心で涙が溢れる。




「チ…。カ…。チカ…。」


『ケン…。』



手を強く握り締め合う2人…。



その互いの左手には、あの頃と同じ様に指輪が光っていた。