夜も更け、時計は12を差した。



時は“3月2日”へと日付を変える。



その瞬間だった…。



ケンの左手がピクッと揺れる。




『ケン…?ケン…?』



チカは必死に呼び続けた。



その声に病室のソファーで眠っていたジェシカとキワが目を覚ます。




「どうしたの?」



ジェシカは驚いた様に尋ねる。




『今…。ケンの左手が少し動いて…。』


「先生を呼びましょう…。」