「分かりやすっ。」


『何でもないもん…。』


「まぁ…、悩みがあったらいつでも相談して!」



ミリは見透かした様な目でチカを見つめる。



『うん…。ありがとう!』


「いつでも力になるからさ!」



そぅ言い残し、ミリは店内へと戻っていった。






ミリは自分が女だから“夢”は選ばないって言ったけど、女は“夢”を選んじゃいけないの?



私も女だから“夢”は選ばないのかな?



私も結婚したいけど、美容師も続けていきたい。



というコトは、ミリにとっての“現実”は結婚して家庭を築くコトか…。



じゃぁミリにとっての“夢”って何?



美容師を続けていくコト?



“夢”を諦めちゃうの?



でも、子供ができたら美容師は続けていけないか…。





あっ…!



だからケン君は、あんな風に言っていたんだ…。



“大切なものは1つしか選べない”って…。




私はどっちを選ぶんだろ?



あぁ…。



もっと分からなくなっちゃった。