『確かに自分を好きになるって難しい…。俺もブサイクな顔で何度も苦労したんだ。』


「そんなコトない…。お兄さんは私と違って肌がキレイだもん…。」


『ありがとう。自分では自分のコトなんて分からないものだね。でも、そういうモノなんだよ。“私は可愛くない”なんて自分の価値を自分で決め付けてしまうのは少し寂しいだろ…?』



さっきまで拒絶していたのが嘘の様にケンの声に耳を傾け始める。




『あの絵を見て…。あれは俺の尊敬する人が描いたんだ。』



ケンは壁に掛けられた大きな絵を差す。