【数日後】



再び院長を訪ね、病院へやって来た。



しばらく重い沈黙が続き、ケンの答えを承知の上で院長が口を開く。




「手術のコト…。考えてくれたかい?」


『手術をしたとしても俺は半年しか生きれない…。それも病院のベッドの上で…。』


「あぁ…。しかし、少なくとも今よりは苦しまずに済む…。」


『死ぬまで病院で過ごせと…?』


「…。」


『数ヵ月…。いや…。明日にも俺の右半身は動かなくなってしまうかもしれない…。』



ケンは恐怖で震える右手を見つめ、抑え込む様に左手で強く握り締めた。