「君か…。」


『こんな所で何をしているんですか?』



驚きと寒さでチカの声は震える。



「眠れなくて…。」



ケンは視線を海へと戻した。



『何かあったんですか?ずっと何か考えてる様に見えたから…。』



聞いても特に返事はない。



『えっと…。別に悪い意味じゃなくて、ただ何か力になれたらと思って…。話すだけでもスッキリしますよ!きっと…。』


「あの日の俺と同じコトを言うんだな…。」



重々しい沈黙の後、ケンはゆっくりと口を開いた。