黒いワンピースとスーツで向かった先はクルージングディナー…。



初めて見るスーツ姿は今までの雰囲気と少し違って、私の胸をドキドキと高鳴らせる。



慣れないフレンチに苦戦しながらも夜景を背に会話を弾ませた。



たまにケンは愛くるしい一面を見せる。




『ケン…。ナイフとフォーク左右反対じゃない?』


「あっ…。ホントだ…。」



ケンは気まずそうに笑って誤魔化した…。




こういうトコも可愛くて大好き…。




食事を済ませるとフロアーの中央で奏でられているピアノの曲調が突然、変わった。